ソラシェア開発社員インタビュー「宇津野玉恵」

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ソラシェアが変えるアフリカの未来― ソラシェア ―
宇津野 玉恵Tamae Utsuno

今まで認められなかった農業と
太陽光発電の共同

通常、農林水産省は農地法の規制により、農地を農業以外に使うことを許可していません。太陽光発電設備等も支柱の基礎部分が農地転用とあたるとして認められていませんでした。しかし2013年3月、太陽光発電設備等を設置して農業と発電事業を同時に行うことが「一時転用」として認められるようになったんです。これによりソーラーシェアリングを行うことが可能になりました。ただ、一時転用が認められるには条件があり、営農の適切な継続が確保されることを前提としなければなりません。そこでLooopは宮崎大学の農学部と共同して、営農型太陽光発電による営農への影響に関して研究をスタートさせました。農地と農作物生産性への影響調査、農業機械の作業性評価、特定作物の生育を実施。パネルの角度・設置量・位置を工夫することで、収穫物の収入と売電収入によって、利益を最大化するシステムを開発。その研究結果を踏まえて営農継続を確保できる設備の開発・改良を続けています。


日本を飛び出して世界へ

ケニア・ジョモ・ケニヤッタ農工大学は日本政府の支援を受けて1981年に設立し、2015年からソーラーシェアリングシステムが導入され、アフリカでの運用が研究されています。ケニアは「農業の国」でありながら植物にとっては厳しい生育環境なので、フードセキュリティへの影響が指摘されています。さらに電化率も低いことから、私は農業とエネルギーの両方にアプローチするソラシェアは、ケニアが発展してく上で非常に重要なツールになるはずだと確信しました。そこで、日本での宮崎大学との研究も踏まえ、ジョモ・ケニヤッタ農工大学と仮説を立てながら研究を始めました。私はまず、日射が強い熱帯地域のケニアではパネルを設置することで適度な日射量になり、さらに土壌の水分量が上がることが期待できると思いました。それが可能ならケニアでは今まで育てることができなかった作物を育てられるかもしれません。また、発電した電力を使って農業機器を使えるようになったり、日本のように売電という収入ツールになることも期待できると考えました。


ソラシェアが変えるアフリカの未来

アフリカの国々は干ばつなどが原因で、輸入穀物に年々頼るようになっています。アフリカの国がさらに成長するためには環境に負担をかけずに農業生産性を上げることが重要だと考えられていますよね。でもソラシェアによって干上がりを防ぎ、乾季の間も農業を可能にすれば収穫が年4回に増え、収穫量も増加します。さらにサブサハラ・アフリカに住む60%以上の人々は電気のない生活をしているという統計がありますが、ソラシェアによって貯蓄された電力が供給されるようになれば、病院が夜でも開院でき、子どもたちが日暮れ後も勉強することができるようになると思うんです。
私はケニアでの研究を通して、ソラシェアの技術はアフリカ全体に根本的な変化をもたらす可能性を大きく秘めていると確信できました。今はまだ実証実験段階ですが、少なくとも今までケニアの人たちにとってファンタジーだったことを現実・日常化することに着手できていることは確かです。


ビジネスとして成り立つことの意義

また、ソラシェアの貢献は農業やエネルギー問題に留まらないと思っています。大学のプロジェクトに関してはビジネスに直結する部分はありませんが、いま並行して始めているキツイ郡の発電所建設は、ビジネスとしての利益創出だけでなく、地域の雇用を生み出し、新たな投資を呼び込めます。私がお会いした地方政府の方たちも、その点に大きな意義を見出しているとおっしゃっていました。寄付や社会貢献だけではなく、ビジネスとして成り立つ方がこの先の持続可能性を見込めます。その方向も見据えながら、教育機関との実験も続ける。そうやって着実に進めながら、仲間と共にアフリカの未来を広げる土台を作っていきたいと思っています。


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