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ヨルダン初の蓄電池併設太陽光発電プロジェクトAl Badiyaに脱炭素ファンドを通じて投資を実行

2021.12.14

プレスリリース

ヨルダン初の蓄電池併設太陽光発電プロジェクトAl Badiyaに脱炭素ファンドを通じて投資を実行

株式会社Looop
ENECHANGE株式会社

ヨルダンの蓄電池併設太陽光発電プロジェクトであるAl Badiyaプロジェクト

株式会社Looop(本社:東京都台東区、代表取締役社長CEO:中村 創一郎)とENECHANGE株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼CEO:城口 洋平、代表取締役社長兼COO:有田 一平)は、海外特化型の脱炭素エネルギーファンド「JAPAN ENERGY ファンド(以下、JEF)」を通じて、ヨルダン・ハシェミット王国(以下、ヨルダン)の蓄電池併設太陽光発電プロジェクトであるAl Badiyaプロジェクトに12月1日に出資し、共同運営に参画したことを発表いたします。なお、出資額は非公表とさせていただきます。

■背景・目的
世界各国が脱炭素社会の実現に舵を切っており、各所で二酸化炭素(CO2)の排出量の削減に欠かせない再生可能エネルギー発電の比率を引き上げる方針を打ち出しています。ヨルダンは天然ガス火力発電を主力としていますが、再生可能エネルギー発電の普及拡大に意欲的に取り組んでいる国の一つです。同国の再生可能エネルギー発電比率は2018年時点で2.9%ですが、2030年までに14%※1まで引き上げるという目標を掲げています。今回JEFが出資したAl Badiyaプロジェクトはサイト内にTesla社製の蓄電池を備えた同国初の太陽光発電プロジェクトです。変動電源である再生可能エネルギー発電の普及には需給の調整が不可欠で、発電所側での蓄電池の運用最適化や電力データ解析結果の活用が重要になります。同プロジェクトに参画し、ENECHANGEのサービスである「SMAP」※2による電力データ解析、及び「エネチェンジKiwi」※3による蓄電池制御を提供することで、同プロジェクトの発電所の運用効率向上や収益性の改善などを目指します。
※1 出所:The International Renewable Energy Agency「THE HASHEMITE KINGDOM OF JORDAN Renewable Readiness Assessment」(2021年2月)
※2 スマートメーターから取得される電力データの解析サービスで「Smart-Meter Analytics Platform」の頭文字をとったもの
※3 自家用発電機や蓄電池など分散型エネルギー資源を束ねるリソースアグリゲーター向けのリソースマネジメントに特化したサービス

■ヨルダンの太陽光発電プロジェクトAl Badiyaについて
今回の投資案件は、ヨルダンの首都アンマンの東北東約80km、標高約810mに位置するマフラク県で稼働中の太陽光発電所の取得です。本発電所は約23MWの発電容量があり、ヨルダン国民約25,000世帯分※4の年間電力供給量に相当する42GWhの供給能力を有しています。本プロジェクトは、ヨルダンの配電会社と長期売電契約を締結しており、長期的な安定収入が期待できます。本案件はヨルダン政府主導の再生可能エネルギー発電に関する促進政策の一つとして認可されたプロジェクトであり、サイト内にTesla社製の蓄電池(容量12,600kWh)が設置されています。ヨルダンは送電網の整備がまだ十分ではないため、電力系統への再生可能エネルギー接続可能容量が限られており、高い日射量を十分に生かせていない状況があります。本発電所では蓄電池を活用して、日中に発電した電力のうち、電力系統に送電が難しい余剰電力を蓄電池へ充電し、夜間に系統へ放出することで、このような課題に対応しています。
※4 WorldData.info 「Energy consumption in Jordan」のデータをもとに試算

サイト内に設置されているTesla社製の蓄電池

所在地:ヨルダン・ハシェミット王国・マフラク県
発電容量:22.982MW(DC)
運転開始:2015年10月(2019年2月に増設の上蓄電池を併設)

■関係者のコメント
ヨルダン・ハシェミット王国 駐日特命全権大使 リーナ・アンナーブ氏のコメント
ヨルダンにおける再生可能エネルギー発電の導入はここ数年で急激に増加しています。今回のAl Badiyaプロジェクトは、ヨルダン初の蓄電池付き太陽光発電所であり、JEF の投資によりENECHANGE社とLooop社が参画することは、重要なステップとなると考えています。このような再生可能エネルギーの活用は、国連のSustainable Development Goals(持続可能な開発目標、SDGs)への取り組みであるヨルダンのグリーン成長計画や、天然ガスなどのエネルギー輸入依存度の軽減、そして気候変動対策としてとても有効な手段です。日本の企業や投資ファンドが、ヨルダンで今後最も期待される分野に積極的に投資し、このプロジェクトへ参画することを大変嬉しく思います。JEFがヨルダンで初めてのプロジェクトに参画するという節目をお祝いするとともに、関係者の皆さまのご健闘をお祈りいたします。

共同事業者フィラデルフィア・ソーラー社 CFO Eyad Arafat氏のコメント
Al Badiyaプロジェクトは、ヨルダンで初めて稼働する大規模太陽光発電プロジェクトで、ヨルダンで初めて太陽光発電パネルを生産したフィラデルフィア・ソーラー社が開発しています。弊社は最新の自動化された生産設備により、現在年間500MWpのパネルの生産能力を有しています。今回、ENECHANGE社及びLooop社と、JEFを通じたAl Badiyaプロジェクトにおけるパートナーシップを誇りに思っており、今後のさらなる連携を期待しています。

株式会社Looop 代表取締役社長 中村 創一郎のコメント
コロナ禍によるヨルダン国内のロックダウン措置や厳しい渡航制限など多くの制約を受ける中、粘り強く対応いただいた関係者の皆さまのご尽力に感謝申し上げます。世界中で脱炭素に向けた動きが加速する中、再生可能エネルギーの安定導入に向けた蓄電池の活用が進んでいます。弊社はこれまでも「Looop中標津太陽光発電所」をはじめ、蓄電池併設型太陽光発電所の建設を進めてまいりました。今回出資するヨルダンでさらに知見を蓄積し、テクノロジーを活用し世界のあらゆる地域における再生可能エネルギー普及を目指していきます。

ENECHANGE株式会社 代表取締役CEO 城口 洋平のコメント
蓄電池併設太陽光発電プロジェクトにおいて、弊社が強みとするデータ解析(SMAP)・蓄電池制御(エネチェンジKiwi)を通じて共同運営に参画することにより、弊社データ事業の成長につながると考えています。日本においても、蓄電池併設型太陽光発電所はまだ少ない状況ですが、今後は確実に増えていく見込みです。いち早く、海外での事業機会を活用したノウハウ蓄積、技術開発により、弊社のデータ事業の基盤を確立していきます。

■JAPAN ENERGYファンドの目的と投資方針
本ファンドは、「日本企業による海外への脱炭素エネルギー投資促進」を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。エマージング諸国の再生可能エネルギー事業への投資を行う「JEF Renewables」と、電力ビジネスの先進国である欧米諸国等において先端技術を有するエネルギー系スタートアップへの投資を行う「JEF Ventures」の2軸で取り組み、これらエネルギー分野への投資を通じて、本ファンドが定めるSDGsの5つの目標に対して集中的に取り組むことで持続可能な社会の実現を目指します。
JEFWebサイト: https://japanenergy.fund

■JAPAN ENERGY ファンドの概要
・ファンド名称:Japan Energy Capital 1号ファンド(英名:Japan Energy Capital 1 L.P.)
・通称:JAPAN ENERGYファンド(略称:JEF)
・ファンド組成日:2019年12月6日
・投資方式:キャピタルコール方式
・投資対象:
● トルコ・ヨルダンの再生可能エネルギー事業
● 欧米諸国所在のエネルギーテックベンチャー
・ファンド規模:100百万USドル規模
・運用期間:2029年12月まで
・無限責任組合員:Japan Energy Capital 合同会社
・有限責任組合員 ※2021年12月2日時点:
ENECHANGE株式会社
株式会社Looop
大和エナジー・インフラ株式会社
北陸電力ビジネス・インベストメント合同会社
株式会社エンバイオ・ホールディングス

※本プレスリリースは、ENECHANGE、Looop、大和証券グループ、北陸電力グループ、エンバイオ・ホールディングスによる投資運用業務の提供や特定の運用商品の勧誘を目的とするものではありません。ENECHANGE、Looop、大和証券グループ、北陸電力グループ、エンバイオ・ホールディングスは、本プレスリリースにより上記のファンド等について勧誘を行うものではありません。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社Looop コンタクトセンター
TEL:03-4577-9001(平日9:00~18:00)
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