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分散型エネルギーシステム「エネプラザ」を導入したモデルルームが公開されました

2021.08.03

技術・開発

分散型エネルギーシステム「エネプラザ」を導入したモデルルームが公開されました

提供:中央住宅

Looopが住宅メーカーの中央住宅、高砂建設、アキュラホーム埼玉中央及びさいたま市と共同で進めている、未来型の脱炭素スマートコミュニティ街区「浦和美園E-フォレスト 第3期」の建設が順調に進んでいます。Looopはさいたま市浦和美園の同街区に、独自開発のエネルギーマネジメントシステム「エネプラザ」を提供しています。同街区では、エネプラザによる蓄電池やEV(電気自動車)、ハイブリッド給湯器を使ったエネルギーマネジメントにより、全51邸に設置された太陽光パネルによる発電だけで、必要な電力の6割程度を賄うことが出来ます。同事業は環境省の補助事業に2020年秋に採択されており、2021年春にはモデルルームが公開されています。

分散型エネルギーシステム「エネプラザ」とは

太陽光発電は夜間や悪天候時には発電できない一方、天気の良い昼間には消費量を上回る量を発電することが出来ます。そのため、「いかに余った再エネを有効活用できるか」が、再エネ活用に向けて重大な課題となっています。エネプラザは、太陽光パネル、蓄電池、EV、ハイブリッド給湯器を駆使し①各家庭で発電した電気を一度一箇所に集めてから再分配することで、電気を消費している家庭に再エネを回す、②太陽光が余っている時に蓄電して、足りない時に放電する、③太陽光が余っている時の電気料金を下げて消費を促す、④太陽光が余っている時に給湯器でお湯をわき上げる、という4つのエネルギーマネジメントによって、再エネを余らせずに有効活用し、再エネだけで消費の6割程度を賄えるシステムです。

①街区全体で電気をシェア

各家庭の太陽光パネルで発電した電力は、地中化された電線を通って一旦1カ所に集められ、そこから各家庭へ再分配されます。一軒のみで自家消費する場合、発電していても留守であれば使い切るのが難しいですが、シェアすることで電気を使っているご家庭へ再エネを回せるので、再エネを余らせずに活用することが出来ます。

②余っている時に蓄電し、足りない時に放電

「浦和美園E-フォレスト 第3期」では、大型蓄電池に加え、入居者が利用できる2台のEVカーシェア、入居者個人のEVまでもが「動く蓄電池」として配電網に接続され、再エネが余った時に充電し電気が足りない時に放電します。EVから送配電網へ送るV2G(Vehicle to Grid;Vehicleは自動車・Gridは配電網の意)は、実用化されている事例はまだ少なく、分譲住宅地では日本初となる試みです。蓄電池も各戸で導入するのではなく全体で共有とすることで、一軒だけで自家消費する場合の4割(※)の蓄電池容量で済み、また各家でメンテナンスする手間も省けます。

③余っている時は電気料金がお安く

Looopが自社発電所で培ってきた発電量予測技術と、「Looopでんき」の利用データから得られた需要予測能力を組み合わせ、再エネの余剰量を予測するシステムを構築。入居者には前日に太陽光の余剰率に応じ、3段階の電気料金単価から翌日の電気料金をスマートホームデバイスで通知します。それにより、再エネが余っている時は使用し、足りない時には節電をするように住民の行動変容を促します。また変動する電気料金をきっかけとしたコミュニケーションや、そこから環境意識が高まることも期待します。

④余っている時に給湯器でお湯をわき上げ

再エネの余剰量予測と各家庭が温水を利用するタイミングをLooop独自のロジックで分析し、再エネの余っている時間帯に自動で給湯器のわき上げを行い、余った電気を活用します。ガスの使用量抑制により節約にもつながります。

災害に強い街づくり

災害などによる停電時も、街区内の太陽光パネルでの発電や蓄電池、EVにより、約15時間継続して電力を供給することが出来ます。EVを活用すれば、街区外にEVを走らせて充電して帰ってくることも可能です。配電網が地中化されていることで良好な景観を形成するだけでなく、電柱の倒壊の恐れもありません。

再エネ普及の壁 「系統制約」を克服するモデル

2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)に向け再エネ拡大は重大な課題となっていますが、「系統制約」と呼ばれる問題が再エネ普及の大きな壁となっています。「系統制約」には大きく分けて二つあり、一つ目は、天候により発電量が変動する太陽光や風力などの再エネが拡大すると、電力利用量(需要)と発電量(供給)のバランスが取りづらくなってしまうという「需給バランス」上の制約で、二つ目は、既存の送電線の空き容量不足のために新たに再エネ発電所を接続できないという「送電容量」上の制約です。
今回の「浦和美園E-フォレスト 第3期」は、太陽光で発電した電力を街区内で使い切っており、外部の送電網に太陽光の電力を流していません。そのため、外部の送電網に対し需給バランスや送電容量面で負担を与えることがなく、今後の再エネ普及拡大の上で有効なソリューションとなっています。

現在、2021年12月入居開始予定で建設が進められています。中央住宅、高砂建設、アキュラホーム埼玉中央の手掛ける住宅は、採光や自然素材の使用にこだわった、デザイン性も高く、断熱性にも優れた省エネ住宅です。共用部分も多く確保され、電力やEVをシェアする住民同士のコミュニケーションも取りやすい環境が整備されています。快適な暮らしを送りながら、「エネプラザ」の活用を通じて環境にもやさしい取り組みができます。

提供:高砂建設

提供:アキュラホーム埼玉中央

Looopはさいたま市「浦和美園E-フォレスト 第3期」での導入を皮切りに、「エネプラザ」を全国の様々な地方で実装し脱炭素社会の実現に貢献して参ります。

関連リンク:
Looop 分散型エネルギーシステム「エネプラザ」の構築に着手
「再エネ+新電力」で実現するゼロカーボン エネプラザ開発秘話
「エネプラザ」設計方法と評価についての論文が学会誌に掲載されました

(※)出典:柴田善朗(2017)「ポストFITを見据えた太陽光発電と蓄電池のあり方―太陽光発電+蓄電池システムの競合性に関する分析」p13 https://eneken.ieej.or.jp/data/7350.pdf(最終閲覧2021/7/21)

なお、論文中では5kWの太陽光パネルが想定されており、今回の美園事業では4.5kWの太陽光パネルのため、前提は異なります。

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