住宅用コラム
自家発電でエコな生活を!自家消費を目的とした太陽光発電!
最終更新日:2021.12.23著者:Looop編集部
これからは自家消費時代
地球温暖化対策の一環として国が力を入れてきた太陽光発電。2011年の東日本大震災で原子力発電のあり方が見直されるようになり、エネルギー自給率の引き上げという新たな課題が生まれました。それにより、住宅用(家庭用)太陽光発電も、売電目的から、自家消費と目的が変化しつつあります。ここでは、そんな自家消費のメリットについて紹介します。
売電単価が下がるなら!自家消費が圧倒的にお得?
太陽光発電のシステム導入にかかる費用の低下に伴い、売電単価は年々引き下げられている傾向にあります。2012年に固定価格買取制度がスタートしたときには住宅用太陽光発電の売電価格は42円/kWhでしたが、2021年には21円/kWh(抑制対象地域では35円/kWh)、2021年には19円/kWh(抑制対象地域では33円/kWh)と年々低価格化しています。
一方、電気料金は年々高価格化しているため、売電するよりも、自家消費する方がお得になってきました。というのも、売電型の太陽光発電では、昼間の余剰電力を電気会社に売り、夜間は電気会社から電気を買っているためです。つまり、売電価格が下がると昼間の余剰電力を売ることで得られる収入が減り、夜間の電気料金による出費が多くなり、結果、利益が減って投資金回収までの年数も長くなってしまうためです。そこで、蓄電池などを利用して昼間の余剰電力を貯めておき夜間に利用する自家消費型にすると、売電による利益は無くなりますが、高額になりつつある夜間の電気代も掛からずお得になるわけです。
自家消費型のほうが早い?投資金回収までの年数は?
太陽光発電による経済面でのメリットを得るためには、投資金をできるだけ早く回収する必要があります。では、投資金回収までの年数は、今までの売電型と自家消費型ではどちらが早いのでしょうか?
投資金回収の目安となる年数は設備の耐久年数などを考慮し約10年と言われています。売電型では、余剰電力の買取額と昼間の電気使用相当額を足したものから夜間の電気料金を引いたものが利益となり、10年間の利益の合計が投資金と同等か上回っていることが求められます。
しかし、実際のところ売電をすると、電気を電力会社に送るために損失が生じソーラーパネルの出力の全部を売電することができない、抑制対象地域では電力会社による抑制が掛かる可能性があるなど、いくらかの損失が予想されます。売電価格が高ければ、これらの損失を上回る利益が見込まれますが、売電価格が低下しているため、今までのような利益を得ることが難しくなっています。
しかし、自家発電型にすれば売電による利益は無いものの、高額な電気使用量を払わず自家消費することで、10年間の電気使用量相当額が投資金を上回る可能性がより高くなるといえます。
最良のリスクヘッジ!?売電しないということは…
住宅向けの固定価格買取制度で10年の価格を保証されている売電ですが、いくつかのリスクもあります。例えば、年々低価格化している売電価格が10年後にはさらに安くなっていると考えられます。そのため、できるだけ早く投資金を回収し利益を生む必要があります。また、10年間は売電による一定した利益を得られそうな気がしますが、電気料金が高額化しているため夜間の電気料金が高くなり、利益は徐々に減少していくと考えられます。また、抑制対象地域では電力会社による抑制が行われる可能性もあるため、予想しただけの売電利益を得られない可能性もあります。これらのことから、売電には不確実な要因も多いことがわかります。
一方、自家消費型では電気料金が高額化すればするほど投資金回収の期間は短くなり、他の不確実要因が少ないことから最良のリスクヘッジということができます。このように、住宅用太陽光発電では売電価格の低下、電気料金の引き上げ、抑制などの制度の見直しなどから、従来の売電型よりも自家消費型の方がメリットは得られやすくなってきています。