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なぜ今、電気代は市場連動へ移行すべきなのか | Looopでんきが目指す「調整力」という価値

2022.08.03

業界トレンド

なぜ今、電気代は市場連動へ移行すべきなのか | Looopでんきが目指す「調整力」という価値

2022年7月28日、Looopは電力小売事業「Looopでんき」において、今冬より市場連動型の価格体系へ移行することを検討中であると公表しました。執行役員電力事業本部長の小川朋之がその背景を説明します。

2022年3月に日本で初めて需給ひっ迫注意報が発出され、Looopでんきだけでなく大手電力会社も新規申込受付停止や電気代の値上げを相次いで発表しました。何が起きているのでしょうか。

まず、脱炭素を目指す国々が競ってLNGを調達しようとし、燃料価格が高騰しました。また、老朽化した火力発電所が次々と停止したことで、日本全体の発電能力が低下しています。そこへウクライナ問題が起こり、電力業界のあり方が大きく変化しました。

今春以後の市場環境下においては、発電所を持たない新電力が、仕入れの工夫でお客様に安く電力を供給するというやり方を続けることはほぼ不可能となり、Looopもどうすれば社会に向けて価値を創出し続けられるのかと、数か月間にわたって議論をしました。

そうした議論の中から生まれたのが、Looopの「再エネ電力宣言※」であり、今回の市場連動型プランへの移行案です。
※Looopは、国産エネルギーである再生可能エネルギーの普及を通じて、エネルギー自給率の向上とエネルギーコストの低減に貢献する決意を表明しています。(詳しくはこちら


市場連動型の価格体系は、再生可能エネルギーの普及促進とどんな関係があるのでしょうか。

エネルギー自給率の向上とコストの低減を、以下の3つを実現することで達成しようとしています。

① 自社で電源を作り、そこからの電力を顧客に提供すること。
② お客様が電気を使う場所に電源・蓄電池を設置し、系統から購入する電力コストを低減すること。
③ お客様に電力の時間毎のコストを意識いただくことで、行動変容や機器によるディマンドレスポンスを行うためのサービスを提供し、電力価格が高い時間の需要を下げること。

市場連動型のプランは、上の③を実現して再生可能エネルギーの普及を推し進めようとするものです。


発電所建設や屋根置き太陽光を設置しようという話はよく耳にしますが、電力を使う人の行動変容も必要なのでしょうか。

再生可能エネルギーは、昼も夜も常に一定量を発電し続けることができません。特に太陽光は昼に電力が余って、需要が高まる夕方から夜にかけて足りなくなる性質があります。実際、電力卸売市場の価格は、太陽光発電の多い時間帯には0.01円をつけることもあります。市場価格は再エネの発電量を反映した価格シグナルだと言っていいでしょう。

市場価格が0.01円の時、太陽光発電所では何が起きているかというと、実はせっかく発電した再エネ由来の電気を捨ててしまっています。電力系統内は、常に需要と供給が同じになるように調整しなければならず、需要が無い時には再エネも流すことができません。これを「出力抑制」と言い、再エネ導入の課題の一つとなっています。

ですから、例えば、電力が余っている時間帯に多くのお客様にEVを充電していただいたり、家電や給湯器を市場価格に合わせて制御することが出来たら、お客様の電気代も安く抑えられ、再エネが余る現象も抑えられます。その結果、再エネの導入量を増やすことにも繋がります。

火力発電所が十分に稼働して電力が逼迫する心配が無かった時代には、お客様の行動変容によって生まれる「調整力」の価値が相対的に創出しにくかったのですが、これからの時代にはそうした行動が大きな価値を持つようになります。日本でこれから再エネを増やしていくためには、調整力の向上は不可欠な要素です。


市場連動でも使い方次第で電気代を安くできるのですか。

Looopは市場連動が必ずしも値上げのみを意味するとは考えていません。市場価格が安い時間帯に電力を使い、高い時間帯に使わないスマートな暮らしを実現することにより、電気代を安く抑えることは可能です。また、季節や地域によって電力需要は異なり、市場価格が安くなるケースもあります。

イギリスでは、市場連動型料金プランを提供しつつ、電気代が高くなる時間帯に、EVに貯めた電力を住宅に供給して「ピークシフト」を行い、電気代を抑制している例が既にあります。また、同じくイギリスの別の小売電気事業者は、スマート充電器を商品化して、電気代が高い時間帯にプラグを差し込んでも、実際の充電は安い時間帯まで待って開始する制御をしています。

Looopが目指す世界は、新たなエネルギーマネジメント技術やサービスを通じて、お客様とともに日本のエネルギーの使い方をより良くしていくことなのです。


小川朋之
2015年入社。営業、企画、調達を歴任後、2022年4月より執行役員電力事業本部長。

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