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電圧抑制って何?住宅用太陽光発電で気をつけたいこと

住宅用コラム

電圧抑制って何?住宅用太陽光発電で気をつけたいこと

最終更新日:2021-12-23 著者:Looop編集部

住宅用太陽光発電のためにソーラーパネルもパワーコンディショナも導入して、余った電力を売電しようと思っていたら、電圧抑制で思い通りの電力が発電できなかったという事態に陥るケースがあります。そんな状況は避けたいものです。そこで、なぜ電圧抑制が起こるのかについてお伝えします。

電線の電圧が107Vを超えてしまうと電圧抑制が起こる

住宅用(家庭用)太陽光発電設備を設置する場合に注意すべきポイントがあります。それが電圧抑制です。電気は電圧が高いところから低いところに流れる性質があります。そのため、住宅内の電圧が発電側の電圧よりも低いと電気は流れません。パワーコンディショナはその状態を避けるように住宅の電気消費量と発電量のバランスの変化にともなう電圧の変化を調整して電気を送り出しています。その際、法律上、住宅内の電線と太陽光発電側の電線の接続点の電圧が95ボルトから107ボルトの範囲で保つことが決められています。

そのため、パワーコンディショナにはその範囲で電圧を保つための電圧抑制機能が付いています。この機能が働いてしまう状態が電圧抑制です。電圧が押さえられてしまうと太陽光発電設備の発電量が少なくなってしまい売電量が減ってしまうのです。電圧抑制の状態に陥っていることは利用者からは気付きにくいですが、パワーコンディショナや電力モニターに「電圧抑制」の表示がついていますので、その表示によって知ることができます。

細長い配線ケーブルを使っている住宅は電圧抑制が起こる可能性がある

電圧抑制が起こる原因は2つ考えられます。1つは、太陽光発電設備側の電線の電圧が107ボルトに近い状態になると、パワーコンディショナが電気を送り出すために必要な電圧を出せなくなることです。パワーコンディショナには電圧調整の上限があります。その上限に達すると電気を送り出すことができず、売電ができなくなってしまいます。

もう1つは、パワーコンディショナの電圧上限に達していなくても、配線ケーブルが細く長いなどの理由で住宅内配線の電圧が上がってしまい、発電側電圧に差があったとしても、その抵抗のせいでパワーコンディショナの電圧抑制がかかってしまうことです。一般的に、配線ケーブルの抵抗が大きいと、それにつれて電圧も高くなります。

そのため、住宅内のケーブルが細く長くなると電気抵抗が上がり電圧が高くなるのです。例えば、接続点における電圧がまだ105ボルトで107ボルトに達していなくても、住宅内の配線のせいでパワーコンディショナまでの電圧が107ボルトにあがってしまい電力抑制が発生してしまうのです。

電力抑制は設備の表示で把握する

既に太陽光発電設備を導入している場合、電力抑制が発生すると、太陽光発電設備が持っている能力を最大限使い切ることができません。できるだけ早く気付いて対策をとる必要があります。しかし、通常、発電量のチェックは発電量の時系列数値の推移をチェックして行うことが多いため、電圧抑制が常態化している場合は、見つけにくくなってしまいます。

そこで注目してほしいのが、パワーコンディショナの電圧抑制表示ランプやエラー表示です。この表示に注目することで、電圧抑制状態に陥っていることがわかります。改善策としては、電力会社側の供給電力を下げたり、ケーブルを変えたりする方法がありますが、まずは電力会社や太陽光発電メーカーに相談することをおすすめします。また、これから太陽光発電設備に投資する場合は、電圧抑制の仕組みを知ることであらかじめ住宅内の配線も含めて最適な設備投資を行うことにができるでしょう。それができれば、効率的な発電が実現でき目論見通りの売電収入を得られるようになるはずです。

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